本大会は、プログラムをPDFにて配布しております。
印刷された物が必要であれば、お手数をおかけいたしますが、ご自身でプリントしていただけますようお願いいたします。
2022年11月20日(日)
9:00
開場・受付
9:20
開会・理事長挨拶
本間 憲章 先生
9:30
大会長講演
座長:
雨宮 淳 (茨城県つくば市)
長谷川 亮 (東京都調布市)
清水 雄一郎 先生
Shimizu Dental Clinic 院長
「患者との信頼を築くラバーダムテクニック」
ラバーダムテクニックは、実際の修復処置に先だって行う前準備である。メタルフリー歯科治療を成功に導くにあたり、ラバーダムが役に立つ。舌、頬粘膜を圧排することで術野を明瞭化し、唾液の侵入を防ぎ、湿度を抑えることで、根管治療や接着修復を確実なものにすることができる。
術者側へのメリットが強調されがちなラバーダムであるが、患者へもたらされるメリットも多くある。口腔内よりメタルを除去する際のバリアとして働き金属と粘膜の接触を最小限に抑えることができる。また、舌や口腔粘膜の保護も重要な役割である。実際、治療終了後に患者の意見を聞いてみると、「口の中に水が落ちてこないのでとても楽だった」「守られている感じがあって安心して治療を受けられた」と言った前向きな感想を良く耳にする。
しかし、ラバーダムの必要性は理解しているが、学生以来学ぶ機会が少ないため実際の臨床での使用に踏みきれない先生方も多いのではないだろうか。本講演では、ラバーダムの基本を復習すると同時に、保存修復処置におけるラバーダムの重要性に関して、臨床の視点から解説をする。
略歴
2002年 日本歯科大学 歯学部 卒業
2009年 UCLA歯学部 Advanced Education in General Dentistry プログラム 修了
2010年 UCLA歯学部 Restorative Dentistry プログラム 修了
2016年 Shimizu Dental Clinic 開設
現在に至る
所属学会
日本メタルフリー歯科学会 常任理事
The Academy of R.V. Tucker Gold Study Clubs 認定メンバー・日本支部連絡役
The American Academy of Gold Foil Operators 準メンバー
Academy of Operative Dentistry メンバー
10:30
一般講演 1
座長:
小笠原 健文 (町田市民病院)
松村 東栄 (東京都目黒区)
濱田 泰子 先生
初台はまだ歯科・矯正歯科 院長
「予知性の高い歯内療法
~診断と無菌的処置の必要性、現在のエンドの潮流~」
昨今のメタルフリー補綴修復はデジタル化、材料材質の変化など目覚ましい発展がある。また患者様の要望もメタルをセラミックに替えたいなどと審美的要求が高まってきている。日常臨床において、メタルフリー治療を選択していく機会も多くなっているが、既存の補綴物を除去し、再補綴を行う場合などに根管治療を行うかどうかの判断は悩むところであろう。病変がレントゲン上で確認できるケースや症状のあるケースはともかく、病変を認めないケースなどでは根管治療が必要かどうかの判断をしなければならない。また、その際的確な根管治療が行われなければ、治療は失敗し、再度補綴物を除去し再根管治療を行うことを余儀なくされ、それが繰り返されれば、残存歯質量が減少することで破折抵抗が減弱し、いずれ歯根破折を起こして抜歯となってしまう。
このようなことを起こさず、歯牙を長期的に保存するという患者利益に応えるためには、確実な診断と意思決定、およびルールに基づいた精度の高い根管治療を行うことが非常に重要である。
そこで本講演では、日常的に歯内療法のみを専門として臨床を行なっている立場から以下の項目について論じたいと思う。
- 診断と意思決定 〜当該歯牙保存の可否の判定、歯牙の状況による根管治療の成功率の違い、根管治療介入の必要性の判断と意思決定
- 無菌的処置の重要性 〜守られるべき根管治療のルール、無菌的処置環境の構築
- 現在の根管治療の潮流 〜歯内療法専門医の臨床、機械的拡大、根管内洗浄、貼薬、根管充填の要点、根管治療後に補綴治療を行う時期について
明日からの臨床の一助としていただけると幸いである。
略歴
2005年 日本歯科大学 歯学部 歯学科卒業
2010年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 博士課程修了
2010年~2013年 焼津市立総合病院 歯科口腔外科
2014年 初台はまだ歯科医院 開院
2021年 Dental Salom Igeta 開設
現在に至る
所属学会
PESCJ認定医
米国歯内療法学会(AAE)
日本歯内療法学会
日本口腔外科学会
11:30
一般講演 2 (教育講演)
座長:
本間 憲章 (千葉県松戸市)
徳永 浩 (大阪市北区)
天川 由美子 先生
天川デンタルオフィス外苑前 院長
「MIコンセプトに基づく審美修復治療」
審美修復治療を計画した場合、20年前であればPFMによるクラウン修復がほとんどであった。しかし、プレスセラミックスやジルコニアに代表される新しい審美修復材料の登場と接着歯学の発展により、修復方法の選択肢は増している。今や審美修復治療はメタルフリーであるオールセラミック修復の時代となった。
また最近多くの方が、「歯を削らないで綺麗にして欲しい」「コンポジットレジンで修復して欲しい」ということを希望し来院される。すなわち、「歯を綺麗にする」=「オールセラミック修復」ではなく、コンポジットレジン、またはラミネートベニアなどを応用したMIな治療も審美修復治療であり、患者は出来るだけ天然歯を削らない方法を望んでいるのである。このようなMIな審美修復治療の成功のためには、接着歯学への理解が必須である。そして、予知性を高めるためには精密なステップで処置を行うことも大切となる。
今回、MIコンセプトについて再考し、それを活かした治療計画の考え方をお話ししたい。また接着歯学を最大限に活かすためのコツについて、精密な審美修復治療の実際をご紹介しながら解説したいと思う。
略歴
1994年 鶴見大学歯学部卒業
1999年 鶴見大学大学院修了 博士号(歯学)取得
2007年 港区 天川デンタルオフィス外苑前 開設
2009年 Women Dentists Club東日本支部長
2011年 関東歯内療法学会 常任理事
2020年 Women Dentists Club会長
現在に至る
所属学会
日本歯内療法学会
日本接着歯学会
日本補綴歯科学会
日本顎咬合学会
日本審美歯科協会
日本臨床歯科医学会(SJCD)
港区麻布赤坂歯科医師会
Women Dentists Club(東日本支部長)
AAE (Association of American Endodontists)
12:30
社員総会 お昼休み
14:00
招待講演
座長:
服部 正巳 (愛知学院大学)
鬼頭 俊雄 (愛知県清須市)
押村 憲昭 先生
かすもり・おしむら歯科 院長
「木も見て森もみる金属アレルギー治療の全て」
近年マスメディア・インターネットなとて歯科金属アレルギーなどの報道がなされることも多い。しかし、歯科金属なとのパッチテストなどを施行しても、反応が無かったり、陽性金属を置換したりしても皮膚症状が改善しない症例も多数経験する。
歯科金属アレルギー治療といえば、パッチテストを行い陽性金属を除去し、アレルゲンフリーの材料に置換するだけ、ほぼ全ての歯科医師はこう考えている。なぜなら、金属アレルギー治療の進め方は大学教育でも習わず、関連書籍も非常にすくないからである。つまり、多くの歯科医師は金属アレルギーを訴える患者への正しい対応法を知らないともいえる。
改善しない理由は多岐に渡り、その理由の一つに歯性病巣感染がある。慢性の歯内疾患、歯周疾患を含むロ腔感染症が原因となり遠隔臓器てある皮膚に症状が発症することがある。当院ても通常の歯内療法、歯周治療後に掌蹠膿疱症の寛解例を数多く経験している。また、歯科材料が関与していないにも関わらす、皮膚科医との連携が取れていないために本来は外さなくてもよい金属を、パッチテストの結果だけで除去してしまうというケースも多い。残念なことに金属アレルギーという言葉を悪用し患者をセラミックに誘導するケースも近年増えてきている。
「本当に金属アレルギーなのか?』と疑いの目を持ち、歯科でどのような治療のステップを踏んでいけは患者と良い信頼関係が築けるのか当院の20年以上の臨床からみえてきた治療ステップフローチャートを供覧したい。
この会を通じ皮膚疾患を訴える患者さんへの正しい対応が広まることを望んている。
略歴
2010年 愛知学院大学歯学部 卒業
2011年 愛知学院大学歯学部附属病院 研修医修了
2012年 静岡県の敬天堂歯科医院 勤務
2015年 名古屋市内医院 勤務
2018年 おしむら歯科 勤務
2020年 かすもり•おしむら歯科 開業
現在に至る
所属学会
日本歯内療法学会
日本歯周病学会
日本皮膚免疫アレルギー学会
日本顎咬合学会
日本糖尿病学会
15:00
特別講演
座長:
白川 正順 (明海大学)
瀧井 泉美 (愛知学院大学)
海老原 全 先生
東京都済生会中央病院 院長
「皮膚アレルギー診療の新しい流れ」
皮膚アレルギーの分野において、近年のトピックはアトピー性皮膚炎治療の大きな変化といえよう。皮膚科領域では乾癬治療から始まったパラダイムシフトがアトピー性皮膚炎分野においても起きようとしている。まず、新たに作成されたアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021を紹介する。ガイドライン2018からの変更点の主なポイントは、新たに使用が可能になった治療薬、デルゴシチニブ、バリシチニブ、デュピルマブの記載が加わった点である。最近さらに使用できる新薬が認可されており、個々のアトピー性皮膚炎患者の病態を把握し、これら生物製剤、小分子分子標的薬を含め、最適な治療薬をどのように選択、使い分けていくかが求められる時代となっている。この治療薬の一部を紹介する。
アトピー性皮膚炎は多因子疾患と言われてきたが、やはりheterogeneousな疾患の集合体としてとらえるべきであると考えている。将来的には細かい分類がなされ、サブグループに適した治療、オーダーメイド治療に進んでいくであろう。この分類という点については、アトピー性皮膚炎の克服という大きな目標を掲げ行ってきた我々のグループの研究について紹介する。
アトピー性皮膚炎の分類については以前より外因性、内因性アトピー性皮膚炎に二分するという考え方があり、内因性アトピー性皮膚炎には金属アレルギーの関与が指摘されてきた。歯科が扱う金属については皮膚疾患との関連は古くから指摘されており、主に金属アレルギーと皮膚の関係についても振り返る。
略歴
1986年 慶應義塾大学医学部 卒業
1986年 慶應義塾大学医学部皮膚科学教室入室
国立小児病院、清水市立清水総合病院、東京電力病院出向を経て
1991年 慶應義塾大学助手(医学部皮膚科学)
1993年 慶應義塾大学病院診療科医長(皮膚科外来担当)
1996年 東京都済生会中央病院皮膚科医長
慶應義塾大学兼任講師(医学部皮膚科学)
2005年 慶應義塾大学専任講師(医学部皮膚科学)
2010年 慶應義塾大学准教授(医学部皮膚科学)
2017年 慶應義塾大学病院診療科部長(皮膚科)
2019年 東京都済生会中央病院副院長
慶應義塾大学客員准教授(医学部皮膚科学)
2020年 東京都済生会中央病院院長
2021年 慶應義塾大学客員教授(医学部皮膚科学)
現在に至る
所属学会
日本皮膚科学会
日本アレルギー学会
日本皮膚免疫アレルギー学会
日本香粧品学会
16:00
一般演題
座長:
瀧井 泉美 (愛知学院大学)
服部 正巳 (愛知学院大学)
1.西野 有紀(東京都世田谷区)
2.宮田 夏絵(茨城県土浦市)